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両利きになりたいヌルゲーマー 音ゲー編

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音ゲーにはいろんな種類がありますが、キーやボタンが左右対称でないゲームでは利き手が強くなって非利き手がずっと弱いまま・・・というケースは意外とあるんじゃないでしょうか。

 

 

 

ぼくはキー配置が左右非対称のゲームをよくやっていたので気づかぬうちに左右のバランスが歪になってしまい、かなり苦しみました。というか引退までいきました。

 

今回DJMAXをきっかけに復帰したので、この機会に左手を頑張って強化、あわよくば両利きになってやろうぐらいの気持ちで再始動しております。

 

そんなわけで、今日は両利きのメリットデメリットや自分が最近行っているトレーニングなどについて書いていきます。

両利きにはどんなメリットがある?

ぱっと思いつくもので

・左右の脳が活性化する

・楽器が弾きやすくなる/音楽ゲームに強くなる

・好きなほうの手で食事ができる/文字・絵が描ける

・実はダイエットになる

 

などなどありますが…

両利きになるといっても、日常的に使う動作すべてをひっくるめて利き手じゃない方の手でやるのはあまりに大変なので、目的に合わせて限定的な両利きになることを目的としています。

 

両利きになる意味はほとんどの場合、特にない

そりゃーもちろん無いよりはあった方がいいだろうけど…そこまでして要る?

と考える人もきっと多いですよね。たしかに、その通りです。

 

明確な目的がなければ挑戦しようとも思わないし、必要に迫られなければ優先度の低いものですよね。

動かない手指を動くようになるまで鍛えるのはとても大変なのですから。

 

だけど、それでも両利きになってみたいという傾奇者のアナタ。

私が限定的な両利きを目指して実行した中から、できるだけ苦労を減らして、楽しみながらできた特訓方法をいくつか紹介します。

今回は、音楽ゲームに絞った非利き手の特訓です。

 

すみませんが、最初に私が両利きを目指そうと思った動機を少し語らせてください。

 

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自分は音ゲーをここ5,6年ほどは触っていなかったのですが、近年になってDJMAX RespectVというSTEAMの音楽ゲームで再燃し、両利きになりたい(非利き手を強くしたい!)という気持ち、さらには最近コロナ禍で流行っている趣味DTM(PC作曲)でも有利であることから本格的に挑戦してみようと思い立ちました。

 

DJMAXというのは音ゲーの中でもビートマニアに非常に類似した内容の作品で、過去にコナミ社がDJMAXのPENTAVISION社にこれはあまりにも似すぎていると裁判を起こしたこともあります。(和解済み)

 

で、このビートマニア自体は楽器のピアノにとても良く似たゲームなのですが1P/2Pという2つのサイドがあり、1Pには左側に、2Pでは右側に丸いターンテーブルがついています。あくまでDJシミュレーションなのでYo!Yo!チェケラ!とディスクを回す動作をしたり、ピアノっぽいけどピアノではないわけですね。

 

当時あまり考えずに1Pを選んだのですが、この1P/2Pの選択は分かれ道でした。

なぜかというと、1Pでは左手が丸いターンテーブルをメインに担当するので、いわゆる非利き手で鍵盤を押さえるという動作はほとんど上達しなかったのです。

 

もちろん1Pも悪いことばかりではありませんでしたが、はやいところ両利きになりたいと思うのであれば、鍵盤側が非利き手担当になるようなプレイサイドを選択すべきだった、遠回りだったかも…と左右の手のバランスの悪さを嘆いて2P側に切り替えて特訓したりすることもありました。

が、元のサイドと比べてあまりにもひどい出来なので継続することができず、諦めてしまいました。

 

 

DJMAXが教えてくれたこと

それから音ゲーをやめて数年が経ち、DJMAXで再開したわけですが、

 非公式コントローラの形を見ていただくとわかるのですが(自分はキーボードでやっています) 

DJMAXビートマニアに似ているとはいえ1P/2Pサイドという概念はなく、キーの配置は完全に左右対称です。

さらには、ビートマニアが7鍵盤+1ターンテーブルであるのに対しDJMAXは最大で8ボタン+2ボタンと小指も動かす必要が出てきます。

 

ターンテーブルには独特の難しさがあるのと近年のBEMANI界隈は極度の高難易度化が進んでいるのでビートマニアの方がゲーム難易度的には難しいと思いますが、最大鍵盤数はDJMAXの方が多く「ピアノに近いのはどっち?」と聞かれたらDJMAXでしょう。

 

例外としてビートマニアには両方のサイドを使うDP(14鍵盤+2ターンテーブル)というものがありますがこれはあまりにも異世界すぎるので考えないことにします。

 

ともかくも左右の手が均等に負荷をかけられるこのゲームを遊び始めてようやく、自分の非利き手は致命的に弱いままなのだということを自覚したのです。

 

よく音ゲーイップスの回避方法に、他のゲームに手を出すというのがありましたがもしかするとこういうことだったのかもしれないと、「それってただの気分転換でしょ?」と思ってた当時を反省するのでした。

 

 

お待たせしました。それでは本題に戻って、ここからは自分が効率よく両利きに近づけたと思う練習を紹介していきます。

 

そもそもピアノ(キーボード)をやればいい?

・ゲームを有利に遊びたいという目的ならまだしも、作曲で鍵盤を使うのが目的ならはじめから鍵盤楽器をやればいいのでは?

当然これは浮かぶ疑問ですよね…

ですが、大人になってから鍵盤楽器を1から身につけるのはかなり大変です。

 

音楽教育を受けはじめたばかりの子と比べてもヘタな自分と向き合って、地道な努力を続けていかなければなりません。

 

好きなポップスやアニメ・ゲーム曲なんかのコピーを続けているうちに出来るようになったという人がけっこう多いようですが、「楽しい!もっとやりたい!」という気持ちになれるかが大事で、やってみたものの当時のぼくはこれには該当しませんでした。

 

当時の、とつけたのは今はそうではないからです。やはりある程度指が動くようになってきたら、好きな曲をコピーして弾くことは楽しい、もっと覚えたいという欲求もいくらか沸いてきました。

 

何がその人のモチベ―ションの上がる行動になるかは段階によって移り変わっていくものなのかもしれません。

 

・構え(フォーム)の練習をする

ピアノにしてもゲームにしてもそうですが、人間の脳はやった事のない動作をスムーズに実行することができません。

この構えの部分がしっかりしていなければ、いくら指が動くようになったところで上をなめるような寝かせた指運び、レガートくずれ(音ゲー用語ではいわゆるベチャ押し)のような動作になりやすく、流しているだけなので打鍵感も弱く、安定感もありません。

 

クリアやフルコン、出来ることは出来る。でも…なんだかわからないけどモノに出来ている気がしないというモヤモヤ感。

それは、後で説明する2つの奏法に関係があります。

 

ですが、この奏法をうまく使うためには、土台となる構え(フォーム)がしっかり身についていなければなりません。

 

というわけで、そもそもピアノやキーボードに向かう前に、普段から構えの練習をしておこうというわけです。

それでじゃあ実際にどんなポーズをしとればいいんじゃ?ということですが…

荒ぶる鷹のポーズ・DAIGOさんのウィッシュ・楳図かずおさんのグワシのようなかなりやりにくい指の形を普段から作って膝の上などに置いておくというのが有効です。

猫ひろしさんの猫の手みたいなポーズもいいですね。

 

結局、どこを意識すればいい? 

楽器演奏というのは本当にいろんな場所の筋肉を動員して行われているので、ここだけ鍛えれば、この動作だけ鍛えれば上達するというものではありません。

 

指先(第1関節、第2関節、第3関節)、手首の関節、手首トルク、肘の関節、肩の関節、自分の体重そのもの、眼球、呼吸。

 

演奏というものは、これらの繊細な動きが複雑同時に行われる全身運動です。

ですので、これらのバランスを意識しながら鍛えていきましょう。

 

いくら鍛えてもうまく押せるようにならない…と思った時は第1・第2・第3関節それぞれが別のセクションであることを認識して、どこが弱いのかチェックしましょう。

 

あきらかに反応の鈍い・ぎこちない、動かすと手指がプルプルしてしまうような関節があれば、それがボトルネックになっている可能性は高いですよね。

 

それらに加えて特に意識が向きにくく重要なのが、手首トルク、肘関節です。

 

2つの奏法

先ほど構えの特訓について話した時に寝かせた指運び、レガートやベチャ押しの話をしましたが

レガート(流し奏法)の対になる指運びとはなんでしょうか?

機械のように指を落としてすぐ離すような指運びいわゆるスタッカート(分離奏法)がこれにあたると思います。

この分離奏法を円滑におこなうために重要なのが、第3関節・手首トルク・肘関節。

「かなり練習したけど、いつまでも芯を食った力強い打鍵ができない指があるんだよな…」

そう思ったら、これらをチェック。

とくに手首トルクと肘の動きは大事で、意識してやらないと脳がいつまでも覚えてくれなかったりします。

自分は右手と比べて左手が極端に弱いという状態だったので、ことあるごとに右手の動きを先生として、なぜ右手は簡単にさばけるのに左手はダメなのか?見比べて原因を探しました。

 

するとあることに気がつきました。右手は、手首がめっちゃ左右にクネクネしてるし、上下にもフワッと浮かせたかと思ったらストンと落としたり、難しい交互押しなんかがくると譜面に合わせてなんか同期した反復動作をしてる。

 

通常時は手首の関節が動かないように固定され腕から指の第3関節までが1本の丸太のようになり、腕が支点になっている(スタッカートしやすいから?)

第3関節から上の動きに加えてわずかに肘関節をふって腕を上下・左右させてる

難しい譜面が来ると手首関節の動きをある程度開放して手首が支点になる?

 

などのポイントに気付いたので、見よう見まねで左手もそんな感じの動きを取り入れてみたところ、なるほど押しやすい。でも、やっぱりぎこちない・・・

 

特に、腕をこまかく振るのと手首の関節が動かないように固定というのが左手だと慣れない動きで、無理するとケガをしそうだったので、ほどほどにしています。

 

けれど、これが上達のカギを握る動作であることは確信できました。なにしろ、現に先生が隣でそうやってるのですから!

 

しかしながら、だんだんさばく音数が増えてくるとスタッカート奏法を維持するのは難しくなってきます。

スタッカートを連続で行うのはかなり余裕がなければできないので、密度の高い譜面ではスタッカート→流し→スタッカートのように知らずのうちに休み休み拍を取っていたりします。

そして自分よりある程度レベルの高い譜面になると、もはやスタッカートがどうとか言ってる場合ではないので寝かせた指運び(便宜上、流し奏法と呼びます)が主体となり、とにかく数をさばいて瞬間的な密度を下げようとするわけですよね。

 

この動作がどれだけできるかが、いわゆる発狂力とか物量耐性と言われるものです。

もちろんレガートだけでなく、合間合間のスタッカートや動体視力と合わせた総合的な動作のスムーズさをもって「地力」と呼ぶわけですが…

 

 

この流し奏法(レガート)と分離奏法(スタッカート)はどちらも上達に不可欠な動作で、格上相手にはレガートが多くなり、格下相手ではスタッカートが処理しやすい動作であるため意識せずとも自然と多くなります。

 

クリア力は主にレガート、スコア力は主にスタッカート。そしてフルコンボ力は両方の能力に依存していることが音ゲー経験者なら共感していただけると思います。

 

レガート:瞬間的にさばける音の数が増える。長時間続けることは難しく微細なリズムは調節しづらい。

スタッカート:機械的に正確なリズムを刻めるので、音楽ゲームではこれがどこまでできるかが重要。手首から肘への負担が大きく格上譜面で無理をすると腱鞘炎などの故障を引き起こす場合がある。

 

ピアノの世界だと、レガート奏法とスタッカート奏法とは別に、重力奏法とハイフィンガー奏法なんていう考え方があります。

ぱっと見同じようなものに見えますがよく読むとけっこう違うので興味があれば調べてみてください。

 

ピアノど素人のゲーマー的には、レガートとスタッカートの技術をどちらも高い水準まで会得した上でレガート7:スタッカート3ぐらいの力の分配で行われるのが重力奏法、レガート1:スタッカート9のような分配で行われる演奏がハイフィンガーなのではといった印象です。

 

音ゲーの高難易度譜面をクリアするにはこのレガートとスタッカートの能力どちらかだけが極端に高くても低くてもダメで、適正レベルの譜面では高密度の所で瞬間的にレガートを使い、スタッカートに戻して体勢を立て直してまたレガートといったさばき方をするので、演奏の安定感を得るためには両方を意識したいところです。

(擬音にするとdrrrrrrドッドッドッドッdrrrrrrドッドッドッドッみたいな)

言い換えるならレガートが発狂力、スタッカートが安定力といった感じでしょうか。

 

ゲーム的視点で見れば最終的にはすべての譜面が格下となり、終始スタッカートで演奏できるというのがスコア的に理想なのかもしれませんが、危険なケガに繋がるので手首や腕に負担を感じたら無理してはいけません。

 

レガートのまま安定感をキープして叩く動作と、スタッカートで音を粒立てるようにキッチリ譜面を処理する動作のどちらもおこなって、複数の処理手段を持つことによって次のステップに進むことが出来るのだと思います。

 

奏法の話だけでずいぶん長くなりましたが、次の特訓紹介にいきましょう。

 

・普段使わない指だけを使って演奏する

これはかなり強力です。

ピアノの世界だと、水かきとか言われる言葉があります。

指の独立性が足りないために、ある指を動かすと他の指もつられて動いてしまう。

これを指と指の間が膜でつながっているカエルか何かのようだと揶揄して水かきと呼んでるようですね。

ビートマニアは7鍵では小指か薬指のどちらかは担当が少ないのでお留守であることが多く、DJMAXも小指、親指が担当する頻度が少ない傾向があります。

 

ですので、バランスよく指を育てていくには自分で練習になるプランを作ってあげないといつまでも見切れている動作ができなかったりします。

 

そこで、DJMAXの5key・6keyを使って中・薬・小指を集中的に鍛えることを試してみました。

始めの1週間ほどは、正直めちゃくちゃしんどかったです。

はっきしいって、なにが来ても押せないレベル。

無理するとすぐに故障してしまいそうなくらいぎこちなくギチギチで、コイツぁ水かきなんてヤワなもんじゃあねぇ…接着されてやがる!という感じ。

 

「これで鍵盤の和音を自在に押さえられるようになりたいなんて言っていたのか、自分は…」という自己嫌悪も少々ありつつ、ゲームということで練習の苦痛がおさえられたおかげか、まるで何も出来ないような地獄の数日間をなんとか切り抜けられました。

 

ゲームをしてない時も中指薬指小指のフォームを重点的につくっていた(めちゃくちゃ苦しい)こともあってか3日目あたりからはやくも成長が感じられてきました。

 

ある程度上達したら成長が打ち止めになって、またしばらく停滞期が続くというのがありがちなパターンなのですが、この特訓方法は数日おきに明確に新たな上達が感じられるような不思議な上達パターンでした。

 

もともと中指と薬指はある程度鍛えられているため、小指との水かきが取れていくにつれて中指薬指の持つ力が発揮できるようになったから上達が早いように見えるということかもしれませんが…

 

集中的に続けていると負担がすごかったので、ケガをしないように気を付けながら2週間3週間とこの特訓を続けました。

1ヶ月くらい過ぎたころには、この指配置で★13・14をクリアできるくらい・★10くらいを頑張ればフルコンできるくらいになりました。

 

この3・4・5の指は隣接した同時押し・トリルが極端に苦手で、そういったパターンが来ない単健メインの高速乱打とかであればいける、といった感じで動作はレガートがメイン。

スタッカート奏法をできる土台にはまだ立てていませんでした。多分★5・6とかが適正。

 

簡単な同時押しくらいなら苦しまずに押さえられるようになってきて、上達の兆しが目に見えるので、この練習はしばらく安心して続けることができました。

 

また副次的効果として、これらの普段使わない指を集中的に鍛えると、元の指配置に戻した時みょうに指がスッと通って押しやすくなるという効果もあります。

 

上手くなっているはずなのにできない…?

でも、これだけでは満足できませんでした。

なぜならたまに来る小指の長押しノート、これは先ほどの練習を続けていてもまったくできなかったからです。

 

各指はたしかに上達してるはずなのに…なんで出来ないのか?

少し悩んで、だした答えは単純に…長押し(ロングノート)だから。

 

たしかにロングノートというものは、普段の乱打に比べてより安定性が求められます。

そしてぼくが3・4・5の指で練習していたとき…ほとんどいつもレガート奏法でした。

 

ならスタッカートを意識して譜面を捌くようにすれば…いや待てよ?

スタッカートが出来る右手も、ロングノートには弱いぞ…。これはどういうことだ!

ここにきてあらたな疑問が浮上しました。

 

さらに数分の思考をして、出した結論は…

「長押しは、長押ししないとできるようにならない。長押し+鍵盤は、長押し+鍵盤をやらなきゃできるようにならない」

ということでした。

 

押し続ける特訓を取り入れる

でも、そんな練習ができる譜面はあまりないし…全然できないからやっても楽しくない!

そこで、ふだん油を売っている小指。コイツの担当ボタンを何もない時でも押さえっぱなしで演奏してみることに。

こ…これは…指が攣る!

 

★5でもまともに演奏できない…そんなばかな。

あまりの残酷な事実にショックを隠せませんでしたが、しばらくやっているうちにこれはとんでもない伸びしろじゃないかとポジティブ思考になってきました。

 

MAX-RANDOMを活用する

これは適正より少し格下くらいの譜面でおこなうとコスパがよい練習。

微縦連のような叩きにくい、小難しいパーツがたくさん降ってくるので、ある程度スタッカートを強制されるし、動体視力も鍛えられるし、もし見切れなかったとしてどのようにベチャ押しすれば最もダメージを抑えられるのかといった総合的な能力の向上が見込めます。

 

この曲好きなんだけど、もう一番上の難易度でも物足りないよなぁ…と思った時にはこのオプションをつけてやるのがオススメ。

 

 あとがき

これほどに使ってない指の動きがたくさんあったとは、もっと早くに知っていれば…なんて恨み節が吐きたくなる時もありますが、こりずに両利き目指してはげみます。

 

両利きになりたい、なってみたいと思った方、一緒にがんばりましょう。