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ToSのイコルと2種類のドレミの話

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今のToSは、むずかしい!

じゃあサービス開始直後は簡単だったのかと言われるとフィールドのレア素材を1個集めるのに半日とかかかるものを150個x2種集めてレア武器作成とかあったし、それはそれでうーんという部分もあるけど、今のほうは強化周りのシステムが迷宮化してるの。

 

 

むずかしさの方向が違うというか、ToSは初期はラグナロクオンラインに近いフィールドとレベリング主体のゲームだったのが、後期ではPSO2FF14のようなレイド主体のMOにだいぶ寄った。

 

そのレイドに参加するために必要な強化要素というのが、3つや4つくらいならまだ覚えていられるところをToSは30とか40ある迷宮て感じなの。

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ToSのイコル数値厳選。ちょうややこしい





しかも固定イコルとランダムイコルみたいな似たような強化要素が入り混じっていて、日本語の説明を読んでいるのに外国語を翻訳しながら読んでいる気分に。

 

このややこしさ…どこかで経験したことがあると思ったら

固定ドと移動ドという音楽の概念もこんな感じだったよ。

 

世の中の絶対音感を持つ人は周りのいろんな音の高さをすべて正確にこれファ♯だねこれはシ♭だねと黒鍵盤が混じっていようと当てることができる。

 

 

当てるというか、音そのものが「ファ♯~~」と言っているのでただそれをそのまま言葉にしているだけ、もしくは「ファ~だけどちょっと高い~」という感覚らしい。おまえら人間じゃねえ!

 

この絶対的な音の高さを表現する時に使われるものさしが固定ド。

ピアノの鍵盤に割り振られてる音の名前とまったく同じなので、絶対音感のない我々にもこっちの方がなじみが深いドレミファソラシドなのだ。

 

世の中の大半の人がこの固定ドを正確に当てる能力を持つことは生涯ない。

かわりに2つの音の幅を測る、相対音感で音楽にふれるわけですが

固定ドと対になる移動ドという概念は相対音感の人のためにあるようなシステム。

 

これを使うにはキーという仕組みを知らなくてはいけないのだが、

カラオケのリモコンで高すぎる曲を歌いやすくするためにキーを下げるとか、そういうのは聞いたことがあるかもしれない。

 

キーを1つ下げるとどうなるのかというと、主役の音、つまりキーの名前になっている音に合わせてすべての音が2度下に移動する。

2個ではなく2度というのはこれまた音楽的単位で、自分の高さを1度と数えるため2度というのはつまり1個しかずれてないのだけど、

じゃあ1個下と書けばいいじゃないかと言われると、音の並びが崩れて濁った響きだらけになってしまうのでそうはいかないのだ。

 

 

なんでかというとピアノの鍵盤のミとファの間、シとドの間には黒い鍵盤がないので、これらまでまとめて1個下 と表現してしまうとほかの音に比べて半分しか移動しないことになる。

 

なので、2度下と表現することで、音と音の間隔は揃えて移動してねという指示を出しているのが、キーを1つ下げるということなのだ。


で、このキーというものを変えたとき、だいたいの人は一瞬「ん?」という違和感を覚えるもすぐにあぁ、この高さで歌うのねと訓練など一切せずとも歌うことができる。

 

しかしキーが変わったということは、それまで使っていた音が、同じタイミングでは1音たりとも使われなくなるということを意味してるのです。

 

じゃあなぜ、絶対音感のない人たちもその多くがキーの変化に対応できるのか…?

それは相対音感という、音と音の距離で高さを測るものさしがあるからなのだ。

 

キーを変えると絶対的な音の高さはすべて書き換わってしまうけれど、7つの音の並びをそのまま維持した並行移動なので、音と音の距離は1つもかわっていないのです。

 

ほとんどの人が無意識にこれを感じ取ることができるからキーが変化してもそれに合わせて歌ったりできるのだ。

 

この、「キーに合わせて」ドレミファソラシドを充てるというのが移動ドの肝で、なじみの深い方のドレミと混同してわかりにくいところ。

 

 

たとえばCメジャーキー(C=ドから始まる メジャー=明るい曲調)というのが一般的なドレミファソラシドだけど

引用:mjapa.jp

http://music-school.mjapa.jp/piano_scale/image/C_major_scale.gif

これのキーをひとつ下げると…

Bメジャーキー(B=シから始まる メジャー=明るい曲調)となり、

音の並びはシド#レ#ミファ#ソ#ラ♯という黒鍵盤だらけに変化。

引用:mjapa.jp

http://music-school.mjapa.jp/piano_scale/image/B_major_scale.gif

 

でも、こんなに見にくく押しにくくなっても音と音の距離はかわっていないのだから、シをドに見立ててやればドレミファソラシドで全部表現できて簡単になるじゃないかというのが移動ドの考え方だ。

 

シド#レ#ミファ#ソ#ラ♯=(-1)のドレミファソラシド

このように扱ったほうが相対音感の人はわかりやすいということで使われている移動ドの概念だが、先ほどの超常能力、絶対音感を持つ人にとってはこの表記はめちゃくちゃ気持ちが悪く感じるらしい。

 

この音はファ#と言っているのに、なんでわざわざ(-1)のソみたいな表記をするんだ!ドレミファソラシドという表記は絶対的な音の高さにのみ使うべきだ!

という超能力者特有の悩みもあるようで、移動ドの概念はドレミファソラシドのかわりにI II III IV V VI VIIと英数字で表記されていたりもする。

 

 

…と、このように難解な部分がToSの固定イコル・ランダムイコルと音楽の固定ド・移動ドの概念は似ているなと思ったというお話でした。