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【初心者向け】リズムを司るドラムとはどんな楽器?

 

今日は、多くの楽曲でリズムを司るドラムスの役割と、ドラムキットの解説です。

リズムってそもそもなんなのもーという人から、ドラムス主体の楽曲はイマイチ聴いてて楽しめない、曲の面白さがわからんという人も演奏者の視点という楽しみ方を知ることができると思います。

 

まずはコチラをご覧ください。

これは演奏者の視点で上からドラムキットを見下ろした画像です。

 

ドラムスは打楽器の集合体で、どのような打楽器を取り込むかの明確な決まりはなく、タンバリンやマラカス、カウベル・スレイベル、トライアングルなどのパーカッション類を近くに置いてドラムスの一部として演奏する奏者もいますが

一般的にドラムスといえば、このようにハイハット1、スネア1、バスドラム1、タム3、シンバル2~3枚によって構成されるものがよく知られています。

 

大きく分けると、金物類→ハイハット、クラッシュシンバル、ライドシンバル

それ以外→スネア、タムタムバスドラムといった感じです、かなり雑です。

 

 

それぞれのパーツについて説明していきます。

 

ハイハット

2枚の金物をすり合わせ、足のペダルの踏み具合で閉じたり開いたりを調節しながらスティックで金属部分を叩くことにより

 

閉じた時にはツッ、チッというタイトな金属音

半開きの時にはシャッ、シャンという金属をこするような音

開いている時にはシャー、シャーンと解放された金属の音がします。

 

クローズドハイハットは楽曲の中では比較的目立ちにくい音ではありますが、オープンハイハットは音の帯域が高めで他の楽器と干渉するケースが少ないためよく聴こえます。

役割としては、スネアとバスドラムが作るリズムの隙間を埋めたり、絶えず強弱をつけながら刻み続けることで作り出したいグルーヴ感を補強する役割を持っています。

 

ちなみに左足のフットペダルだけで音を鳴らすこともでき、2枚の金属が閉じた時にプシュッ、プシュン、といったような音が鳴ります。

ジャズ楽曲などではよくフットペダルの裏打ちが鳴らされます。両手両足のうち3本がそれぞれ別のリズムを刻むなか左足だけ裏打ちを行ったりするので、慣れるまでは難易度が高く感じます。

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スネア

スネアは、簡単に言えば小太鼓です。

太鼓の裏側にスナッピーという調整可能な金属のベルトのようなものが張ってあって、その張りの具合によって叩いた時にベルトが震動しパスン、ボスンというような小気味よい音が鳴ります。

 

楽曲の中での役割は、定期的に同じタイミングでスネアを鳴らすことにより、時折違うタイミングで鳴らされたスネアによってここがアクセント(強調したい部分)ですよと示したり、連続してスネアを叩く(ロール)ことにより、次のシーンへと向けて助走をつけて走っていくような印象を与えたりすることができます。

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バスドラム

バスドラムは、簡単に言えば大太鼓です。足のビーター(ペダル)を踏むとドン、ドフッと力強く鈍い音が響きます。

ドラムスの中で、いちばん特徴的なのがこの楽器ではないでしょうか。

 

バスドラムは、唯一、足のみで演奏するパーツです。その演奏方法からキックと呼ばれたりもします。

ロックやメタルの楽曲などでは、ツーバスもしくはツインペダルといって左足でもバスドラム演奏を担当することが多く、ドコドコドコドコ・・・と耳に残る力強い重低音を発します。

 

バスドラムが楽曲内で占める役割は非常に大きく、バスドラムの入るタイミング次第で曲のジャンルがまったく変化するといっても過言ではありません。

 

基本的にドラムがいる場合、バスドラムとスネアの組み合わせがリズムの根幹を作りだしており、ハイハットがその補強、シンバルやタムタムは場面転換やリズムに彩りを与える装飾のような役割を担っています。(ジャズなどを除く)

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タムタム

タムタムとひとまとめにされることも多いですが、それぞれハイタム、ミッドタム、ロータム、フロアタムというように音程による名称の違いがあり、左から右へと順番に両手で叩いていくことによりポコポコポコポコ・・・と流れのあるフレーズを生むことができます。

スタジオにあるようなアコースティックなドラムのタムタムは、叩くとポーン、ボーンというような重めでハリのある音を出します。

 

タム単品で叩くことはそこまで多くないですが、スネアロールと同様に楽曲が次のシーンへ移行する時の聞き手への導線として、彩りを与えるために鳴らされることは良くあります。

役割もそれに準じており頻繁に使用されるものではなく、楽曲に彩りを与えるための飛び道具といったところです。

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民族楽器を使った曲ではドラムス・タムタムの代わりにタブラやボンゴといった楽器を使用するため、実質タムタムが主役級の役割を担っているような場合もあります。

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シンバル(クラッシュ・ライド)

ドラムスの中でもっとも目立つ音を出すのが、クラッシュシンバルです。

シンバルには細かく分けると他にも種類があるのですが、大別するとクラッシュとライドの2種類に分けることができます。

 

クラッシュシンバルは属性的にはオープンハイハットと同じものを持ちますが、金属自体が大きく、またハイハットとは違い1枚のみで常時解放されているため強いアタック感と長い余韻を出すので聞き手の印象に残りやすい音です。

この特徴から、聞き手をハッとさせたい時や場面転換のタイミングに配置してシーンが切り替わったよという情報を伝えるのに頻繁に使われます。

もちろん、そういう意図ではない場合でもここはちょっと激しくしたいなと思ったなど彩りを与えるためにシンバルが使われることもあります。

 

ライドシンバルは、クラッシュとは違い強く叩いて演奏されることは比較的少ないシンバルです。

普通のシンバルよりも重たく大きく、叩くとギーンともキーンともつかないような鈍い音がします。

どういう時に使われるかというと、ポップでハイスピードな楽曲の中でそろそろ少しペースを落とそうと思った時に、それまで細かいハイハットを刻んでいたのをライドシンバルに切り替えて落ち着かせたり、または裏打ちのライドシンバルを入れていくことでスピード感は維持したまま雰囲気を変えたりすることもできます。

 

ジャズ楽曲においては、ライドシンバルがシャッフル(跳ねた譜割)で根幹となるリズムを刻むことがあり、普段目立たないドラムスとしては珍しく主役級ともいえる楽器です(参考動画①:0:20秒~1:17までライドシンバルが鳴っています。

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まとめ

簡単にですが、ドラムスの各部位の解説とどんな曲で目立っているのかの特徴などを紹介しました。

やはり楽器の構造やどんな風に音を出しているのか知らなければ演奏をイメージすることは難しいと思いますので、楽器店やスタジオで実際にさわってみるのが一番わかりやすいとは思いますが、そこまでせず演奏者の視点を知るだけでも楽しめる曲の幅は広がるでしょう。